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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科27巻8号

1992年08月発行

文献概要

臨床経験

頸椎外傷後のretropharyngeal hematomaにより気道閉塞を来した1例

著者: 鈴木譲二1 細谷俊彦1 塩田匡宣1 徳永祐二1 井幡巌1

所属機関: 1総合太田病院整形外科

ページ範囲:P.955 - P.959

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 抄録:頸椎外傷後に,retropharyngeal spaceに血腫を形成することはよく知られているが,これが気道を圧排し,呼吸困難を引き起こすことが稀にある.このような報告は英語文献においては十数例認められるものの,本邦においては1例の報告のみである.症例は74歳の女性で,乗用車同士の交通事故にて受傷し,項部痛,両手の軽度の痺れをを主訴に来院したものである.X線写真上,脱臼,骨折を認めず,明らかな神経学的所見を認めないため,頸部安静にて経過観察したが,徐々に頸部腫脹感,嗄声,嚥下困難,咽頭部不快感等の症状をきたしたため,受傷約4時間後緊急気管内挿管を施行した.単純X線写真,CTにて,retropharyngeal hematomaを確認後,手術的に約90gの血腫を除去した.文献的考察を交え,特徴的所見による早期診断が救命に必須であることを強調したい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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