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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科27巻8号

1992年08月発行

文献概要

臨床経験

肩峰形成術後の筋力評価と切除肩峰下面の病理組織学的検討

著者: 末永直樹1 福田公孝2 三浪明男1 金田清志1

所属機関: 1北海道大学医学部整形外科学教室 2札幌社会保険総合病院整形外科

ページ範囲:P.965 - P.968

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 抄録:肩impingement症候群に対して,腱板の修復をせずに肩峰形成術を単独で行った,12例12肩について,その成績,術後の筋力の回復状態,切除した肩峰下面および烏口肩峰靱帯の組織学的な変化に関して検討を行った.肩峰形成術の方法は,Neer法が10例,Ellmanに準じた関節鏡視下のdecompressionが2例であった。Neerの分類と症例数では,stage IIが8肩,stage IIIは4肩で,術後経過観察期間は平均17.4カ月であった。6カ月以上経過観察のできた11例中,Neerの評価法で10例がsatisfactoryであり,日整会肩関節機能判定基準による評価では術前平均76.3点が術後平均92.5点と全例で評価点が改善した.CybexIIを用いた術後の筋出力トルクでは,鏡視下のdecompressionの方が筋力の回復は良好である傾向を示した.組織学的検索では,stage IIにおいても線維軟骨層の肥大増殖,烏口肩峰靱帯の炎症性変化が存在し,腱板の断裂なしに肩峰下面の病理学的変化を引き起こす可能性を示唆していた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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