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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科27巻9号

1992年09月発行

文献概要

臨床経験

dysplastic typeの腰椎すべり症に合併した若年性椎間板ヘルニアの1例

著者: 金谷貴子1 原田俊彦1 宇野耕吉1 井口哲弘1 廣畑和志1

所属機関: 1神戸大学医学部整形外科

ページ範囲:P.1069 - P.1072

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 抄録:症例は14歳,女性で主訴は腰痛と右下肢痛である.著明なtight hamstringsがあり,Lasegue徴候は右30度陽性であった.また,右長母趾屈筋の筋力低下とSI領域の知覚低下など,典型的な若年性椎間板ヘルニアの症状を呈していた.膀胱直腸障害はなかった.X線学的検査ではL5椎体の無分離すべりを認め,すべり度は40%であった,また,第1仙椎の上縁は円形化を呈し,椎弓の低形成もあり,dysplastic typeのすべり症と診断した.なお本症には,耳介変形,翼状肩甲,染色体異常等の先天性異常があったが,これらとすべり症との関係は不明であった.MRI,CTM,CTDなどの諸検査によりL5/SI間に椎間板ヘルニアを認め,dysplastic typeの腰椎すべり症に伴う椎間板ヘルニアと診断し,Loveの術式によるヘルニア摘出術を施行した.術後2年を経過した現在では,腰下肢痛も消失し復学している.今後すべりの増強に伴う症状の再発があれば,固定術を追加する予定である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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