icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科27巻9号

1992年09月発行

文献概要

臨床経験

軟部腫瘍が疑われた大腿,殿部のchronic expanding hematomaについて

著者: 岡田恭司1 佐藤光三1 大場雅史1 片岡洋一2 坪井純3

所属機関: 1秋田大学医学部整形外科学教室 2中通病院整形外科 3男鹿市立病院整形外科

ページ範囲:P.1083 - P.1089

文献購入ページに移動
 抄録:chronic expanding hematomaの3症例について報告した.外傷との関連性があり,初発症状はいずれも無痛性腫脹で,罹病期間が6カ月以上であった.局所所見として全例で腫瘤が,1例ではさらに波動が認められた.発生部位は2例が大腿部,1例が殿部で,病変の深さは筋膜上が2例,筋間が1例であった.単純X線では1例のみで石灰化がみられた.CTでは多房性の境界明瞭な嚢腫状腫瘤が描出され,病変の位置の把握にも有用であった.病理学的にはいずれも肉眼上厚い線維性被膜を有する嚢腫状病変で,内容物は1例が液状物,2例が変性壊死物であった.組織学的にはいずれも線維性被膜,肉芽組織層,凝固壊死物層の3層構造が観察され,肉芽組織層では無構造の好酸性物質の周囲で異物反応が認められた.この好酸性物質の一部はPTAH染色が陽性であった.軟部肉腫との鑑別が重要と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら