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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科27巻9号

1992年09月発行

文献概要

臨床経験

Tetra phocomeliaの1例

著者: 二井英二1 小保方浩一1 原親弘1 平田仁2 須藤啓広2 藤浪周一2

所属機関: 1三重県立草の実学園整形外科 2三重大学医学部整形外科

ページ範囲:P.1091 - P.1094

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 抄録:極めて稀なTetra phocomeliaの1例を経験したので,義肢装具療法に関する知見も含め報告した.小児の四肢の切断における原因では,後天性のものより先天性の切断が多く,欧米では65%,本邦では80%を占めると言われ,部位別では,四肢すべての切断は1.8%に過ぎず極めて稀である.小児の切断における義肢装具療法に関しては,なるべく早期に装着すべきであると言われているが,義手においては感覚的なfeed backがないことや巧緻性に問題のあることなどより,実際には困難な場合が少なくない.また,義足に関しては,両下肢切断に片側上肢の切断を伴う場合でも義足歩行は可能であるが,四肢すべての切断の場合は困難であると言われている.本症例では,両側上肢に高度の欠損があり,不可能であった.また,上肢の残存指については,痕跡的な手指であってもかなりの機能を有する場合があり,安易に外科的切除を行うべきでなく,できる限り温存すべきであると思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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