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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科27巻9号

1992年09月発行

文献概要

臨床経験

中指屈筋腱腱鞘より発生したtenosynovial chondromatosisの1例

著者: 道野邦男1 田名部誠悦1 月岡宏充1 岡田基2 熊坂悟3

所属機関: 1越谷市立病院整形外科 2越谷市立病院病理 3熊坂整形外科病院

ページ範囲:P.1095 - P.1098

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 抄録:手屈筋腱腱鞘より発生したと思われるtenosynovial chondromatosisの1例を経験したので,文献的考察を加え報告する.症例は43歳の女性.約3年前からとくに誘因なく右中指DIP関節掌側に発赤,疼痛,腫脹が出現し,しだいに可動域も制限されるようになった.X線検査では右中指DIP関節掌側に大小様々な腫瘤陰影を認めた.手術により,DIP関節部腱鞘外に1個,腱鞘内に8個の白色,硬,表面不整な腫瘤を認め摘出した.病理所見では,滑膜と連続した硝子様軟骨が形成されており明らかな骨化は認めなかった.また一部に石灰化と思われる部位を認めtenosynovial chondromatosisと診断した.術後関節可動域はほぼ正常となり,発赤,疼痛は消失した.本症は自験例を含め本邦に21例の報告があり,手の屈筋腱腱鞘に多く発生している.osteochondromatosisとchondromatosisには臨床的に若干の差を認め,両者を区別して整理した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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