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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科27巻9号

1992年09月発行

文献概要

臨床経験

膵癌に合併した皮下及び骨,関節内脂肪壊死の1症例

著者: 松木宏1 小野沢敏弘1 菅俊光1 仲井理2 末吉敦3

所属機関: 1宇治徳洲会病院整形外科 2宇治徳洲会病院外科 3宇治徳洲会病院内科

ページ範囲:P.1099 - P.1103

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 抄録:膵疾患に起因するmetastatic fat necrosisは本邦において過去13例見るに過ぎない.原疾患を膵癌に限れば欧米に25例の報告をみるが,日本では過去に報告例を見ていない.我は今回,関節炎,骨髄壊死を伴った膵癌によるmetastatic fat necrosisを経験したので,その臨床像と画像診断上の特徴について報告した.症例は58歳,男性,両下肢の有痛性紅斑を初発症状とし,両膝関節炎を併発して当科初診した.腹部症状の訴えは全くなかった.皮膚生検にて脂肪壊死像,血液検査にてリパーゼ等,膵外分泌酵素の増加を認めたが血清アミラーゼ値は正常範囲であった.腹部CT検査等から膵癌を発見し,膵体尾部・脾切除術施行した.術後血中リパーゼ値は低下し,徐々に皮下脂肪壊死症状も軽減した.MRIで膝周囲に広範な骨髄壊死像を見たが,術後10カ月の現在,症状安定しつたい歩き可能な状態である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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