文献詳細
文献概要
臨床経験
殿部に発生した悪性血管外皮腫の1例
著者: 熊野文雄1 川端力1 浜西千秋1 田中清介1
所属機関: 1近畿大学医学部整形外科学教室
ページ範囲:P.79 - P.81
文献購入ページに移動症例は,23歳,女性.左殿部の有痛性腫瘤のため入院した.画像診断にて左大殿筋内から1部は骨盤腔内にいたる腫瘍陰影を認めた.軟部悪性腫瘍の疑いのもとに手術を行い,術中迅速病理標本にて血管肉腫との診断を得,全摘出術を施行した.腫瘍組織のHE染色および鍍銀染色の所見より組織学的に悪性血管外皮腫と診断した.
悪性血管外皮腫の軟部悪性腫瘍における発生頻度は2.5%前後であり,比軟的稀な腫瘍である.また部位別発生頻度をみると,上肢下肢に多く発生し,本症例のように殿部に発生するものは我々が調べ得た限りでは報告されておらず,殿部発生例は比較的稀であると考えられた.
掲載誌情報