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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科28巻1号

1993年01月発行

文献概要

臨床経験

巨大な腓骨筋滑車による長腓骨筋腱障害の1例

著者: 木下誠司12 佐藤進1 藤井英夫1 広瀬哲司1 柴田直樹1 鵜飼和浩3

所属機関: 1姫路聖マリア病院整形外科 2現:県立加古川病院 3兵庫県立成人病センター整形外科

ページ範囲:P.91 - P.94

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 抄録:巨大な腓骨筋滑車による長腓骨筋腱障害の1例を経験したので報告する.症例はII歳の女児で歩行時の足関節痛を主訴に受診した.右足関節外果の下方に骨性隆起が突出していた.単純X線像・CT像にて,両側の巨大な腓骨筋滑車の突出と右側の先端部の骨端核様の骨陰影を認めた.保存的治療に抵抗するため手術を施行した.長腓骨筋腱は,巨大な腓骨筋滑車により圧排され扁平化し強く緊張しており,滑車を切除することにより腱の緊張は緩んだ.Burmanは腓骨筋滑車に疼痛を生じる原因として腓骨筋滑車の過形成と腓骨筋腱々鞘炎を挙げているが,本症例では巨大な腓骨筋滑車により長腓骨筋腱が圧迫され疼痛が生じていたと考えている.また,明らかな外傷歴がないこと,および切除標本の病理組織像より,腓骨筋滑車先端の骨端核様の骨陰影は副骨ではないかと考えている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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