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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科28巻10号

1993年10月発行

文献概要

論述

非手術的治療が奏効した転移性脊椎腫瘍についての検討―麻痺を伴った症例を中心にして

著者: 片桐浩久1 高橋満1 稲垣治郎2 後藤達彦2 長尾清治2 井元明彦2 伊藤直也2 後藤忍2 片岡孝江2 岩田和久2

所属機関: 1名古屋記念病院整形外科 2名古屋記念病院腫瘍科

ページ範囲:P.1111 - P.1118

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 抄録:1987年以降当院にて非手術的治療を行った転移性脊椎腫瘍73例のうち初診時Frankel type BまたはCの麻痺を認めた20例の臨床経過,画像所見について検討した.麻痺が改善した症例には4つの特徴が認められた.①病理組織学的には放射線療法,化学療法またホルモン療法に対する感受性が高い乳癌,前立腺癌,悪性リンパ腫であること,②単純X線像では骨破壊が軽度であり椎体骨折がないこと,③MRI,脊髄造影で脊髄圧迫の主体が硬膜外腔の腫瘍であること,および④神経圧迫症状を呈してから歩行不能の麻痺発症までの経過が長いが,麻痺発症後直ちに治療を開始していることである.この4条件を満たした症例については治療前後のMRIにより著明な除圧効果と神経学的改善が認められた.このため、これらの症例は手術的治療の適応は少ない.一方,脊髄の圧迫が椎体後壁によるものは非手術的治療に感受性が高い腫瘍でも効果不十分な症例があり,手術の適応と考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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