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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科28巻10号

1993年10月発行

文献概要

臨床経験

神経束に砂時計様のくびれを有する正中神経麻痺

著者: 星和人1 落合直之1 篠田瑞生1 小谷貢一1 松浦宏明1 糸川博士1 岩瀬嘉志1 末松直美2

所属機関: 1関東逓信病院整形外科 2関東逓信病院病理部

ページ範囲:P.1171 - P.1174

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 抄録:43歳女性の正中神経麻痺の試験的展開において,肘中枢で神経束2本に砂時計様のくびれを認めた.風邪罹患後,急激な右肩甲部痛,右肘痛が出現し,右手回内及び摘み動作の障害を自覚するようになった.右肘より4cm近位に圧痛があり,短母指外転筋,浅指屈筋を除く正中神経領域の筋力低下を示したが感覚障害はなかった.発症後6ヵ月で圧痛点を中心に神経剥離を行った.術後7ヵ月で麻痺の回復が始まっている.これまで前骨間神経麻痺の診断のもと,神経剥離を行い異常所見を認めなかったとする報告は高率に存在する.本例のように圧痛点に一致した展開を行い,神経束まで剥離すれば本変化が同定される可能性がある.本症例のくびれは,2本の神経束に交差を伴わないで独立して存在しており,機械的な原因によるねじれは否定的である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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