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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科28巻10号

1993年10月発行

文献概要

臨床経験

舟状骨偽関節に伴う長母指屈筋腱断裂の1例

著者: 室井眞理子1 田中寿一1 山下仁司1 美崎晋1 柳田博美1 鄭昌吉1

所属機関: 1兵庫医科大学整形外科

ページ範囲:P.1193 - P.1196

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 抄録:舟状骨偽関節に伴った長母指屈筋腱(FPL)断裂の1例を報告した.症例は63歳の男性(農業).主訴は左手関節痛,1987年11月にドリルに巻き込まれ受傷し,その時近医にて左舟状骨の偽関節を指摘されたが,特に治療は受けなかった.その後左母指IP関節の屈曲不能になったが放置,1991年12月,左手関節の運動時痛と運動制限悪化のため,当科を受診した.X線像上,左舟状骨偽関節と,左母指IP関節の,屈曲障害を認めた.手術時,模骨手根靱帯の欠損があり,この部より手根管内に偽関節部が露出しFPLは完全断裂,示指深指屈筋腱は,ささくれだちの不全断裂を認めた.手術は,偽関節部を病巣掻爬,腸骨よりの襖状骨移植後,Herbert screwによる固定,靱帯欠損部を横手根靱帯の一部で修復,IP関節を腱固定した.8ヵ月後の追跡時骨癒合は得られ,機能的にも経過良好であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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