icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科28巻11号

1993年11月発行

文献概要

論述

先天性股関節脱臼手術例に対する臼蓋回転骨切り術の検討

著者: 里村俊彰1 村瀬鎮雄1 林靖人1 田村守1 小瀬忠男1 高野量子1

所属機関: 1神奈川リハビリテーション病院整形外科

ページ範囲:P.1205 - P.1211

文献購入ページに移動
 抄録:先天性股関節脱臼に対して,乳幼児期に観血的整復術,各種の補正手術を行った症例のうち,20歳未満に臼蓋回転骨切り術を追加せざるを得なかった症例を,術前のX線所見より3群にわけ,再手術の要因および手術方法について検討した.症例は35例39股で,男4例4股,女31例35股,手術時年齢は11歳から19歳,平均15歳であった.I群(21例,21股)は,術前,骨頭の変形が少なく関節軟骨が保たれている症例とした.術前平均85点が術後平均97点となり,X線所見でも全例改善がみられ,本法が良い適応と考えられた.II群(11例,12股)は,骨頭の変形,あるいは扁平臼の認められる症例とした.術前平均82点が術後平均88点と軽度改善されているものの,再手術例が2例あり,適応を慎重に検討すべきである.III群(6例,6股)は脱臼例であるが,術前平均79点が術後平均88点と改善されており,X線学的にも脱臼した骨頭の外側上方化への進行の予防に役立っていると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら