icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科28巻11号

1993年11月発行

文献概要

論述

悪性軟部腫瘍肺転移例に対する集学的治療の成績とその問題点

著者: 川井章12 別府保男1 横山良平1 福間久俊1

所属機関: 1国立がんセンター中央病院整形外科 2現:岡山大学医学部整形外科

ページ範囲:P.1213 - P.1219

文献購入ページに移動
 抄録:悪性軟部腫瘍肺転移57例に対する集学的治療の成績を解析し,予後因子ならびに各治療法の有効性について検討した.全症例の肺転移後3年及び5年累積生存率は各々32.0%,20.0%.予後因子として,原発巣治療から肺転移出現までの期間が1年以上,腫瘍倍加時間が40日以上,局所再発の無い症例,肺転移切除術施行症例および肺への多数回手術例が有意に予後良好であった.化学療法の奏効率は23.8%であり,有効群において短期生存率の向上が認められたが,長期予後の改善は明らかではなかった.放射線療法は照射野内の抗腫瘍作用は比較的確実であったが,生存率の向上には結び付いていなかった.現在までの化学療法,放射線療法では悪性軟部腫瘍の肺転移病変を長期間コントロールすることは未だ困難であり,悪性軟部腫瘍肺転移の治療においては時期を失さない適切な転移巣切除術の施行が最も重要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら