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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科28巻11号

1993年11月発行

文献概要

臨床経験

第3腰椎に発生した骨Paget病の1例

著者: 米津浩1 小川維二1 樋笠靖1 辻伸太郎1 矢野敦子2

所属機関: 1大樹会回生病院整形外科 2香川医科大学第一病理

ページ範囲:P.1285 - P.1288

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 抄録:本邦においては稀な疾患とされている骨Paget病の1例を経験したので報告する.症例は89歳の女性で,主訴は腰痛である.第3腰椎棘突起に叩打痛を認めたが,他覚的神経症状はなかった.単純X線では第3腰椎の前後左右径の増大がみられ,全体的に硬化像を呈し,いわゆる象牙椎となっていた.MRIでは椎体から棘突起におよぶ信号強度の変化が認められた.しかし,椎体の高さは保たれており,隣接椎間板の変化もなかった.棘突起より採取した病理組織では,骨梁構造は不規則でモザイクパターンを示した.以上の結果より骨Paget病と診断し,calcitonin 10単位週2回筋注を開始したところ,3週目より自発痛の軽減がみられ,現在,腰痛は消失している.本疾患の病因としては遅発性ウイルス感染説が有力であるが,なお不明な点が多い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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