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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科28巻11号

1993年11月発行

文献概要

臨床経験

脱臼性変形性股関節症に対する全人工股関節置換術の治療成績

著者: 稲尾茂則1 安藤御史1 後藤英司1

所属機関: 1旭川医科大学整形外科

ページ範囲:P.1289 - P.1295

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 抄録:当科における脱臼性変形性股関節症に対する全人工股関節置換術の治療成績を検討した.症例は,34例40股で,手術時平均年齢は52歳,経過観察率は100%であった.ソケットは原臼設置とし,臼蓋再建として切除骨頭頸部による独自の自家骨移植を34股に行った.全例移植骨の骨癒合が得られ,荷重部では骨梁の再構築が見られた.合併症としては,骨移植及び脚延長に起因するものが大部分であった.感染例を除く術後5年以上(5年2ヵ月から13年,平均8年10ヵ月)の長期経過24例に対して,臨床評価(疼痛・歩行能力・関節可動域)及びX線評価を行った.臨床評価では,疼痛及び歩行能力の著明な改善が維持されていたが,可動域の改善はわずかであった.X線評価では,ソケットの機械的弛みは骨移植例で15%であった.ステムの弛みはなかった.再置換に至った例はない.今回の調査より,我々の骨移植による臼蓋再建法の有用性が示唆された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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