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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科28巻11号

1993年11月発行

文献概要

臨床経験

頸椎hemangioendotheliomaの1例

著者: 川合準1 清水克時1 松下睦1 戸口田淳也1 山室隆夫1 中嶋安彬2

所属機関: 1京都大学医学部整形外科学教室 2京都大学中検病理

ページ範囲:P.1297 - P.1300

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 抄録:稀な腫瘍である頸椎原発のhemangioendotheliomaを1例経験し,椎体切除術を行い良好な結果を得たので,その臨床経過を報告した.患者は62歳の女性で,主訴は右上肢痛.頸椎単純X線でC4椎体の異常陰影を指摘され,CT,MRI,椎骨動脈造影等の結果,頸椎血管原性腫瘍と診断された.手術は椎体切除術及び前方固定術を行った.病理診断はhemangioendothelioma grade Iであった.一般に血管原性脊椎腫瘍に対する手術では,術中出血量を減らすため,術前に栄養動脈のembolizationが薦められている.本症例では栄養動脈が細く,embolizationが技術的に不可能だったので実施しなかったが,大量出血には至らなかった.血管原性脊椎腫瘍で,術前のembolizationが不可能でも,術中出血量のコントロールが可能な症例もあると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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