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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科28巻11号

1993年11月発行

文献概要

臨床経験

Stickler症候群の1例

著者: 保坂泰介1 四方實彦1 清水和也1 武田信巳1 田中千晶1 戸口田淳也1 多田弘史1 川合準1

所属機関: 1京都市立病院整形外科

ページ範囲:P.1301 - P.1304

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 抄録:我が国では報告例の希な,Stickler症候群の1例を経験した.症例は20歳男性.既往として生後より口蓋裂を認めた.9歳時,左眼の網膜剥離,白内障を生じ,手術を受けるも失明した.19歳時,右眼の網膜剥離のため手術を受け現在白内障を合併している.両側感音性難聴を認める.身体所見は,右凸の側彎,仙尾部の突出,両側の外反股・内反膝と右膝約20°,左膝約10°の屈曲拘縮,顔面の平坦化と低鼻,小顎,顔面中央部低形成を認める.以上よりStickler症候群と診断した.
 本症候群は我が国においては知名度は低いが頻度はMarfan症候群よりも多いとされる.また放置すると失明に至る危険がある.そのため出生時・新生児期に骨格異常と口蓋裂,小顎症,顔面中央部形成異常を認めた場合,本症候群を疑い早期に眼病変の検索をしなければならない.我々整形外科医にとって決して見逃してはならない疾患であり,今後注目すべき疾患として留意する必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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