文献詳細
論述
文献概要
抄録:退行期骨粗鬆症の傍脊柱筋群の萎縮をCT像にて定量的に明らかにし,慢性腰背部痛および脊柱変形との関連につき検討した.骨粗鬆症47例の女性(彎曲正常型7例,円背型10例,凹円背型4例,亀背型5例,全後彎型6例,平背型8例,腰部変性後彎型7例)と対照群12例の女性に対し,第3腰椎部の傍脊柱筋群のCT値および面積比を測定し比較検討した.さらに傍脊柱筋群の面積の減少.低吸収域の拡がりによりgrade 0~3の4段階に分類し比較した.骨粗鬆症群では脊柱変形の有無にかかわらずCT値または面積比の低下を認めた.腰部変性後彎型では著明な面積比の減少がみられた.grade 2,3は対照群にはみられなかったが,骨粗鬆症群では55.3%を占めていた.高度な萎縮を示すgrade 3では腰椎前彎角の減少を認めた.傍脊柱筋群の萎縮による慢性疲労が骨粗霜症の慢性腰背部痛の一原因となるのではないかと考えた.
掲載誌情報