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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科28巻12号

1993年12月発行

文献概要

臨床経験

椎体多発骨折によって顕著な身長低下を来したCushing病の1例

著者: 西徹1 斉藤裕次1 渡辺憲治1 赤木盛久2 矢野隆2 有田和徳2 魚住徹3

所属機関: 1尾道総合病院脳神経外科 2尾道総合病院脳神経内科 3広島大学医学部脳神経外科

ページ範囲:P.1401 - P.1404

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 抄録:Cushing病において骨粗鬆症はしばしば認められるが,骨粗鬆症自身が主徴となることは少ない.胸腰椎多発圧迫骨折によって短期間のうちに顕著な身長低下を来たし,胸郭変形による呼吸不全症状で入院したCushing病の1例に対し,経蝶形骨洞法により下垂体腺腫を全摘し,著明な症状の改善を得たので報告する.症例は46歳女性で,1991年4月転倒し強い腰背部痛を自覚し,約1ヵ月後に身長低下(1ヵ月で15cm短縮)に気付いた.単純X線像で著明な骨粗鬆症と胸腰椎の多発圧迫骨折が認められた.次第に歩行困難,寝たきりの状態となり,呼吸困難を来たしたため同年9月当院に入院した.精査の結果微小下垂体腺腫によるCushing病と診断した.(血中ACTH;70~90pg/ml,血中cortisoi;20~30μg/ml)1991年2月経蝶形骨洞法により腺腫を全摘した.術後単純X線像所見は不変であったが高cortisol血症は消失し,腰背部痛の改善により歩行も可能となり,社会復帰した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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