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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科28巻12号

1993年12月発行

文献概要

臨床経験

稀な結核症の2例―足趾骨結核と手部結核性腱鞘炎

著者: 辻正二12 熊野潔1 高見博1 平林茂1 小川裕1 青田洋一1 泉康次郎1

所属機関: 1関東労災病院整形外科 2現:信原病院整形外科

ページ範囲:P.1405 - P.1408

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 抄録:最近の本邦では稀な足趾骨結核と手部結核性腱鞘炎とを,在日外国人で経験したので報告する.
 症例1は25歳のバングラデシュ人の男性で,左第3足趾基節骨の結核である.骨髄炎の診断にて骨幹部の徹底的な病巣郭清の後,腸骨移植を行い,鋼線固定を行った.切除標本の病理組織像と細菌培養とから結核と診断された.またナイアシンテストも陽性であった.術後1年5ヵ月目に第3足趾の槌指変形に対してHerbert screwを用いた近位指節間関節固定術を行った.症例2は57歳の韓国人女性で,右母指基部と手関節部の結核性腱鞘炎である.CTとMRIとが病巣範囲の診断に有用であった.可及的に病巣を郭清した.2例とも炎症は完全に治癒し,機能障害は残していない.最近では在日外国人の結核が増加しているため,同様な病態に対しては,結核の可能性を常に考慮しておく必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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