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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科28巻12号

1993年12月発行

文献概要

臨床経験

大腿外側広筋内にみられた筋肉内粘液腫の1例

著者: 石河紀之1 岡田恭司1 山本正洋2 小玉弘之2 皆川洋至2

所属機関: 1秋田大学医学部整形外科学教室 2秋田労災病院整形外科

ページ範囲:P.1409 - P.1412

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 抄録:64歳男性の左大腿外側広筋内に発生した粘液腫の1例を経験した.痛みはなく,腫瘤は弾性軟で表面平滑であったものの,下床の筋肉との境界が不明瞭であった.腫瘤は血管造影でhypovascular,CT,MRIでは筋肉内に比較的境界明瞭で隔壁をもち内部均一であった.CT値は34~48で周囲の筋(67~78)よりは低く,内部に明らかな造影効果は認めなかった.MRIの信号強度はT1強調像で周囲の筋より低く,T2強調像で皮下脂肪より高かった.腫瘤はwide excisionされ病理組織診にて筋肉内粘液腫と診断された.筋肉内粘液腫は良性腫瘍で手術切除はmarginalで行われることが多い.しかし画像や穿刺細胞診での鑑別診断が難しく,特にmyxoid liposarcoma,myxoid MFHは本症とよく似た画像所見を示すことがある.このため術前に明らかに粘液腫と診断がつけられない場合はwide excisionが適切な手術法と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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