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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科28巻2号

1993年02月発行

文献概要

臨床経験

痛風により発生したと思われる肩鎖関節症の1例

著者: 松島哲郎1 堀部秀二1 山中健輔1 井上明生1

所属機関: 1久留米大学医学部整形外科

ページ範囲:P.197 - P.200

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 抄録:我々は,10年来の経過をもち,肩鎖関節にX線像上侵食像を呈した症例を経験した.症例は,35歳,男性.右肩痛及び関節可動域制限を主訴に来院し,検査所見として高尿酸血症(尿酸値:8.9mg/dl),X線像上肩鎖関節に,痛風性変化と思われる抜き打ち像を認めた.他関節症状として,母趾MP関節,膝関節に全経過のうち2回の疼痛が生じていた.症状が長期にわたるため,鎖骨遠位端を切除したが,術後経過は良好である.滑膜は,慢性炎症の病理像を呈していた.関節液からは,尿酸結晶は認められず,痛風とは確診できなかったが,約10年間高尿酸血症の状態であったことが予測され,長期にわたって疼痛発作を繰り返してきた痛風性の肩鎖関節症と考えられた.痛風により発生した肩鎖関節症の報告は,今まで我々の調べた範囲では1例のみで,本症例は,その点で極めて珍しい症例と思われたので,その鑑別診断を中心に報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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