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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科28巻2号

1993年02月発行

文献概要

臨床経験

筋肉間ガングリオンの1例

著者: 杉浦英志1 佐藤啓二1 伊藤隆安1 中西啓介2 榊原健彦3

所属機関: 1名古屋大学医学部整形外科学教室 2一宮市民病院整形外科 3坂下病院整形外科

ページ範囲:P.203 - P.205

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 抄録:ガングリオンはよく見られる疾患であるが,筋肉内及び筋肉間に発生したガングリオンは極めて稀である.今回,我々は51歳男性の右大腿四頭筋部に発生した筋肉問ガングリオンの症例を経験した.ガングリオンは大腿直筋と外側広筋の間に存在し,また,その茎は大腿直筋腱と連続し膝蓋骨上極に続いていた.膝関節腔には通じておらず,腫瘤内部にはゼリー状の内容液を認めた.発生機序として,膝伸展運動の慢性的な刺激がガングリオンの発生機転となり,筋肉間に脱出したものと考えられた.また,MRIではガングリオンはTI強調像で内部均一な低信号をT2強調像では内部均一で液体成分の存在を示唆する強い高信号を呈していた.周囲組織への浸潤像は認めず,縦断面では房状構造がみられた.このような稀な部位に発生したガングリオンに対しMRIは有用な補助診断となると思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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