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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科28巻3号

1993年03月発行

文献概要

論述

生体内吸収性ポリ-L-乳酸骨接合材の臨床成績

著者: 山室隆夫1 松末吉隆1 内田淳正2 島田幸造2 下崎英二3 北岡克彦3

所属機関: 1京都大学医学部整形外科 2大阪大学医学部整形外科 3金沢大学医学部整形外科

ページ範囲:P.225 - P.233

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 抄録:我々は生体内吸収性高分子であるポリ-L-乳酸より作製した高強度を有する骨接合材(スクリュー,ピン,釘)を開発し,臨床応用を行ったのでその成績を報告する.症例は90例で年齢は9~72歳,経過観察期間は4カ月から2年1カ月(平均1年2カ月)であった.使用方法は,関節内または関節周囲骨折などの骨接合術が41例と最も多く,次いで人工関節部などへの移植骨の固定が39例,骨切り術8例などであった.骨癒合は人工関節部の同種骨移植術に用いた1例を除き良好に得られた.骨片の転位も96%の症例では全く認められなかった.スクリューの挿入時の折損を初期の12例(13%)に生じたが,ほとんどがタップサイズの不適合によるもので現在はこのような問題はない.材料に起因する血液生化学検査の異常や感染例はなく,また遅発性の無腐性腫脹などの副作用も現時点では認められなかった.生体内吸収性材料であるポリ-L-乳酸骨接合材は,関節部骨折,移植骨の固定などに十分使用可能である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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