icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科28巻3号

1993年03月発行

文献概要

論述

肩峰骨折―臨床的分析と受傷機転の推測

著者: 小川清久1 松本隆志1 松井健郎2

所属機関: 1慶應義塾大学医学部整形外科学教室 2埼玉医科大学整形外科学教室

ページ範囲:P.249 - P.255

文献購入ページに移動
 抄録:肩峰と肩甲棘遊離部に生じた骨折は,臨床的に一括して肩峰骨折として扱われることが多い.しかし,この部位の骨折31例を分析した結果,肩峰と肩甲棘遊離部骨折では合併損傷の特徴と推測される受傷機転が異なり,両者は厳密に区別されるべきものであることが判明した.即ち,肩峰骨折は,肩外方から加わった介達外力により肩甲骨・鎖骨問に生じた勇断力がもたらす肩甲骨・鎖骨間結合の破綻が本態と推測された.烏口突起骨折・肩鎖関節損傷を高率に合併し,複合損傷の形態をとることが多い.治療は肩甲骨・鎖骨間結合の再建が主目的となり,肩峰骨折自体あるいは他損傷部位の観血的整復固定をしばしば要する.肩甲棘遊離部骨折は,肩峰に後外方から加わった直達外力により発生すると推測され,合併損傷は少ない.治療は保存的治療が主体となる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら