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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科28巻3号

1993年03月発行

文献概要

シンポジウム 癌性疼痛に対する各種治療法の適応と限界

転移性脊椎腫瘍に対する手術療法の除痛効果―痛みと治療による除痛効果の評価について

著者: 長島太郎1 大島義彦1 太田吉雄1 佐藤浩1 林雅弘1 横田実1 平本典利1 森倫夫1 伊藤友一1 尾鷲和也1 武井寛1

所属機関: 1山形大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.285 - P.291

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 抄録:転移性脊椎腫瘍という,時間の経過と共に増悪しやがて死を迎える疾患において,痛みは限られた余命を有意義に過こす上での最大の障害である.筆者らは,この痛みの原因は腫瘍の浸潤による脊椎の不安定性であると考え,筆者らの考案したGrooved rodを用いて強固なsegmental sublaminar wiringを行い,好成績を収めてきた.そこでその除痛成績を検討するために,以下の評価法を設定した.
 ①まず痛みの程度を,痛みを抑えるのに要した鎮痛剤の種類,量,神経ブロックの併用の有無により(-),(+),(2+),(3+)の4段階に分けた。またこれとは別に,痛みを反映するADLの一つである歩行能力で評価した.②有効な除痛とは,治療により痛みが改善し有意義な日常生活を送れることだと考え,少なくとも非麻薬性鎮痛剤で抑えられる程度以上に痛みが改善したもの,すなわち治療後痛みが(-)ないし(+)となったものを除痛効果が‘有効’として評価した.③除痛効果が治療後一時的ではなく,その後の生存期間中長く持続することが大切だと考え,治療後除痛効果が‘有効’であった期間が治療後生存期間に占める割合を“除痛持続効果”として評価した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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