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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科28巻3号

1993年03月発行

文献概要

シンポジウム 癌性疼痛に対する各種治療法の適応と限界

転移性脊椎腫瘍に対する後方固定術の除痛効果

著者: 小川潤1 高畑武司1 藤村祥一1 戸山芳昭1 小柳貴裕1 松本守雄1 丸岩博文1 平林洌2

所属機関: 1慶應義塾大学医学部整形外科学教室 2慶應義塾看護短期大学

ページ範囲:P.293 - P.297

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 抄録:1982年以降,転移性脊椎腫瘍手術例のうちspinal instrumentationを用い後方固定術を行った61例に対し,除痛の観点から脊椎後方固定術の有用性とその限界について検討した.手術法は,後方除圧術とLuque SSIを原則とし,可能な限り化学療法や放射線療法を加えた.後方固定術のみを行った51例(以下P群)と,さらに前方固定術を併用した10例(以下AP群)とで,除痛効果および除痛効果の持続性について比較した,除痛効果は両群で明らかな差はなく,除痛効果の面からは前方固定術併用が必ずしも有利とは言えなかった.また除圧固定術による除痛無効5例の存在は,神経組織の圧迫や脊柱の不安定性以外にも癌性疼痛の素因となるものがあることを示唆した.除痛効果の持続性の面からは,予後1年未満のものでは両群に差がなかったが,予後1年以上のものではP群で集学的治療を併用したものやAP群が優れていた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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