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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科28巻4号

1993年04月発行

文献概要

特集 痛みをとらえる(第21回日本脊椎外科学会より) 主題 脊椎とその周辺からの痛みの診断

腰椎椎間板ヘルニアにおける神経根性痛の画像診断―造影MRIによる障害神経根の描出

著者: 豊根知明1 高橋和久1 山縣正庸1 村上正純1 高田啓一1 高橋弦1 森永達夫1 平山次郎1 北原宏1 守屋秀繁1

所属機関: 1千葉大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.383 - P.389

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 抄録:片側の下肢痛を主訴とする腰椎椎間板ヘルニア25例に,Gadolinium-DTPA造影MRIを施行し,特にヘルニアの遠位部における神経根を観察した.その結果,17例において症状側神経根が造影されていた.神経根の造影所見は3群に分類可能であり,grade 0:造影されない,grade 1:部分的に不均一に造影される.grade 2:全体に造影される,とした.坐骨神経痛の重症度を定量的に評価するためにSLRテストおよびJOAスコアを用いたところ,造影の程度は症状の重症度を反映していた.またgrade 2の全症例が,3ヵ月以上の保存療法を行っても症状の寛解が得られず,手術を必要とした.これは造影MRIが,責任高位の診断のみならず,予後を予測し得ることを示しており,その適応は広がるであろう.神経根の造影の機序としては,血液神経関門の破綻,神経内浮腫の出現が考えられ,神経根性坐骨神経痛の画像診断,ならびにその生体内における病態解明の可能性が示された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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