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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科28巻4号

1993年04月発行

文献概要

特集 痛みをとらえる(第21回日本脊椎外科学会より) 主題 脊椎とその周辺からの痛みの診断

腰椎椎間板ヘルニアにおけるGd-DTPA造影MRIの意義について―神経根造影と臨床徴候の関係

著者: 種市洋1 鐙邦芳1 平地一彦1 金田清志1

所属機関: 1北海道大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.397 - P.404

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 抄録:非造影MRIは圧迫による脊髄内病変は鋭敏に捉えるが,神経根内の変化は描出しない.筆者らは,Gd-DTPA造影MRIで圧迫による神経根内病変が造影可能かどうかを調査し,腰椎椎間板ヘルニアの診断における本法の有用性を検討した.対象は腰椎椎間板ヘルニア115例で,術前および術後に造影MRlを施行した.術前は115例中45例(39.1%)で障害神経根が造影された.神経根造影(nerve root enhancement:NRE)は下肢痛の強い例に多く観察されたが,麻痺の程度には相関しなかった.術後早期におけるNREは46例中27例(58.7%)で陽性だったが,診断上の有用性はなかった.また,非障害神経根における造影が7例(5.9%)にみられ,これは根静脈の造影と考えられた.NREは,圧迫や炎症による神経根の神経内膜内浮腫を描出するものと推察された.造影MRIによる神経根内変化の描出は,障害神経根の同定を可能にし,腰椎椎間板ヘルニアの診断に有用であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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