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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科28巻4号

1993年04月発行

文献概要

特集 痛みをとらえる(第21回日本脊椎外科学会より) 主題 脊椎とその周辺からの痛みの診断

頸椎症性脊髄症における軸性疼痛

著者: 細野昇1 米延策雄1 小泉雅彦1 小野啓郎1

所属機関: 1大阪大学医学部整形外科

ページ範囲:P.405 - P.411

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 抄録:手術を施行した頸椎症性脊髄症の103例における術前後の軸性疼痛を検討した.軸性疼痛を項部痛,肩痛,肩こりの3つに分け,術前後におけるこれらの症状の頻度と,各種画像との関連を調べた.術前の軸性疼痛は対象の25%に認められたがこれを説明しうる有意な画像所見はなかった.またこれらの症状の46%は手術により軽快したが,術式による軽減効果に差はなかった.更に,亜全摘術の術後は19%,椎弓形成術の術後は60%に術後軸性疼痛を認め,椎弓形成術に多かった,椎弓形成術後の肩痛については,その発生・軽快時期,lateralityから蝶番側における偽関節様の痛みが原因となっていることが示唆された.また予後に関して,これらの術後症状のうち項部痛と肩痛は術後1年半以内に軽快する例が多かったが,肩こりについては80%以上の例で術後1年以上続いた.術前軸性疼痛の頻度は女性に多く,また術前から強い痛みを訴える症例については術後も2年以上続く頑固な軸性疼痛を訴えることが多かった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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