icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科28巻4号

1993年04月発行

文献概要

特集 痛みをとらえる(第21回日本脊椎外科学会より) 主題 術後遺残疼痛

腰椎前方固定術偽関節例の術後遺残疼痛とその対策

著者: 戸山芳昭1 松本守雄1 丸岩博文1 小川潤1 小柳貴裕1 高畑武司1 藤村祥一1 平林洌1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部整形外科

ページ範囲:P.435 - P.442

文献購入ページに移動
 抄録:腰椎変性疾患に対する前方固定術(ASF)偽関節例の臨床症状とX線所見を分析し,術後成績への影響,遺残疼痛との関連およびその対策について検討を加えた.対象は椎間板ヘルニア6例,MOB 4例,分離すべり症11例,変性すべり症8例の計29例で,年齢は平均44歳である.各疾患別に骨癒合群(U群)と偽関節群(N-U群)の改善率を求め,さらにX線機能撮影により偽関節の程度を点数化して各症例ごとの偽関節スコアーを算出した.なお14例に再手術を施行した.当科における過去10年間のASF偽関節例は205例中15例,7%であった。U群の改善率79%に対してN-U群では36%と劣り,特にヘルニアを除くMOB,すべり症で顕著であった.再手術法にはSteffee法が有効であったが,その成績が平均改善率で21%から69%へと上昇したことからも,偽関節による術後成績への影響は明らかであった.その際,偽関節スコアーはその程度を数値で表現でき,術後成績とも関連がみられ有用であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら