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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科28巻4号

1993年04月発行

文献概要

特集 痛みをとらえる(第21回日本脊椎外科学会より) 一般演題

圧迫性腰仙部神経根障害における造影MRI―根内血管透過性の変化

著者: 森田知史1 吉沢英造1 中井定明1 小林茂1 蜂谷裕道1 中川雅人1 西本聡1

所属機関: 1藤田保健衛生大学整形外科

ページ範囲:P.519 - P.526

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 抄録:近年,造影MRIを用いて神経根内の病態を把握する試みが成されている.今回,我々は,造影MRIが神経根の病態をいかに反映するかを検討した.基礎的実験として雑種成犬の左側第7腰神経根に60gram forceの圧迫力が作用する血管縫合用クリップを使用して1時間の圧迫を行った.そして,圧迫解除30分後にトレーサーとしてgadolinium次いでEvans blue albumin(EBA)を静注し,その10分後に屠殺した.そして腰仙部を一塊として取り出して造影MRIを撮像するとともに神経根薄切切片を作成して蛍光顕微鏡下で観察し,EBAの血管透過性の変化を検討した.造影MRIで神経根圧迫部位は全例で高輝度を呈し,同部で血液神経関門の破綻に基づくEBAの血管外漏出,即ち根内浮腫像が蛍光顕微鏡下で観察された.臨床的検討では腰椎椎間板ヘルニア27例に対し造影MRIを撮像して当該神経根を観察した.27例中8例に圧迫された神経根の高輝度変化を認めた.以上のことより,臨床例の高輝度変化を呈した症例の約1/3は圧迫された神経根内に浮腫を生じているものと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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