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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科28巻5号

1993年05月発行

文献概要

論述

外がえし強制による距骨滑車骨軟骨骨折

著者: 熊井司1 高倉義典1 北田力1 田中康仁1 高岡孝典1 玉井進1

所属機関: 1奈良県立医科大学整形外科

ページ範囲:P.541 - P.549

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 抄録:距骨滑車の骨軟骨骨折は1959年Berndtらの屍体を用いた実験以来,一般に内がえし強制により発生すると考えられている.今回外がえし強制により発生したと考えられる5例を経験したので,その病態について検討を加えた.症例の内訳は男4例,女1例で発生部位はいずれも距骨滑車外側であり,初診時年齢は16~31歳(平均25.2歳)であった.全例に観血的治療を行い,母床の掻爬,drillingおよび骨軟骨片の整復固定術を行った.合併損傷として内果骨折,内側靱帯損傷や脛骨下端前縁骨折を伴っていることが多かった.腰椎麻酔下でのストレスX線撮影や術中の徒手操作により,滑車上外側縁と脛骨下端関節面の衝突が確認され,本症の受傷機転と考えられた.骨折線は矢状方向にみられ,骨軟骨片は下方に転位していることが多いため,その形状は本症に特徴的な崖崩れ状(landslide-shaped)を呈していた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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