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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科28巻5号

1993年05月発行

臨床経験

脳性麻痺児の股関節脱臼に対する装具療法の小経験

著者: 二井英二1 小保方浩一1 矢田浩1 原親弘1

所属機関: 1三重県立草の実学園整形外科

ページ範囲:P.607 - P.610

文献概要

 抄録:脳性麻痺児の股関節脱臼に対しては,観血的療法が主として行われ,装具療法の効果は明確ではない.今回,2例の脳性麻痺児の股関節脱臼に対して,股関節外転装具による治療を行い,比較的良好な結果を得たので報告した.股関節の内転筋群,屈筋群の痙性があまり強くなく,開排位などにより求心性が良好なものでは,装具療法によりある程度の効果が期待できるものと思われた.また,脳性麻痺児の股関節脱臼における臼蓋形成不全は,不良肢位にある大腿骨骨頭の臼蓋への圧迫が原因であるとされ,特に,7歳以降では臼蓋の軟骨性発育は鈍化するため,たとえ骨頭の求心性が保たれたとしても臼蓋の改善は期待し難いとされている.我々の症例においては,11歳,8歳時に治療を開始しているが,特に,11歳より開始した症例において臼蓋の改善は著明であり,骨頭の求心位を良好に保つことにより年長児でも臼蓋の良好な発育が期待できると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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