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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科28巻5号

1993年05月発行

文献概要

臨床経験

長母趾屈筋腱皮下断裂の1症例

著者: 橋爪洋1 上好昭孝1 嶋公大1 江川弘光1 星野潤1 松本朋子1 玉置哲也1

所属機関: 1和歌山県立医科大学整形外科学教室

ページ範囲:P.617 - P.619

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 抄録:極めて稀な長母趾屈筋腱皮下断裂の症例を経験した.患者は13歳男性,サッカー競技中に右母趾の伸展を強制され,直後より母趾IP関節の屈曲が不能となった.腱鞘造影にて,中足骨頭部から中足骨基部まで造影剤の充満が観察されたが,腱鞘内には腱陰影は認められなかった.第一中足骨頭部での長母趾屈筋腱の皮下断裂と診断し,手術的に観察すると,同部での腱断裂がみられ,端々縫合が不可能であったため,腱移植術を施行した.一般に介達力による腱断裂は腱停止部に発生することが多いが,解剖学的に長母趾屈筋腱は第一中足骨頭部で走行を変更しており,同部でストレスを受けやすく,さらに今回の症例ではサッカーボールを蹴ろうとして長母趾屈筋腱に強い筋収縮力が働いた瞬間に過伸展を強制されたことが,第一中足骨頭部における腱断裂の発生機序として考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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