文献詳細
文献概要
臨床経験
エリスロポエチンを用いた自己血輸血の経験
著者: 金潤澤1 進藤裕幸1 東博彦1
所属機関: 1埼玉医科大学整形外科学教室
ページ範囲:P.621 - P.624
文献購入ページに移動対象は寛骨臼回転骨切り術(RAO)予定患者24例で,内訳は静注用EPO 3000IU使用群6例,6000IU使用群6例,皮下注用EPO 3000I∪使用群6例,対象群6例である.全例に自己血輸血を用い,術前貯血として,予定手術日の3週間前から1週毎に400mlずつ計1200ml採血し,冷蔵法にて保存した.EPOを使用した例では,初回の貯血用採血前より週2回静注,あるいは週1回皮下注し,全例に静注用鉄剤を併用した.EPO群では同種血輸血を要した症例はなく,対照群で1例16.7%に400mlの同種血輸血を要した.EPO群では採血後のヘモグロビン濃度の低下が抑制され,対照群に比してヘモグロビン増加量は高かった.なお,EPOによる副作用はなく,全症例を通じて輸血による合併症もなかった.
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