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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科28巻5号

1993年05月発行

文献概要

臨床経験

エリスロポエチンを用いた自己血輸血の経験

著者: 金潤澤1 進藤裕幸1 東博彦1

所属機関: 1埼玉医科大学整形外科学教室

ページ範囲:P.621 - P.624

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 抄録:当科では,遺伝子を組み替えヒトエリスロポエチン(rHuEPO;EPO)を用いて造血能を高め,貯血式自己血輸血法を行っているので,その有効性につき検討した.
 対象は寛骨臼回転骨切り術(RAO)予定患者24例で,内訳は静注用EPO 3000IU使用群6例,6000IU使用群6例,皮下注用EPO 3000I∪使用群6例,対象群6例である.全例に自己血輸血を用い,術前貯血として,予定手術日の3週間前から1週毎に400mlずつ計1200ml採血し,冷蔵法にて保存した.EPOを使用した例では,初回の貯血用採血前より週2回静注,あるいは週1回皮下注し,全例に静注用鉄剤を併用した.EPO群では同種血輸血を要した症例はなく,対照群で1例16.7%に400mlの同種血輸血を要した.EPO群では採血後のヘモグロビン濃度の低下が抑制され,対照群に比してヘモグロビン増加量は高かった.なお,EPOによる副作用はなく,全症例を通じて輸血による合併症もなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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