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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科28巻5号

1993年05月発行

文献概要

臨床経験

巨人症に合併した胸椎椎間板ヘルニアの1手術例

著者: 塩見朗12 長谷斉1 茶谷賢一1 平澤泰介1

所属機関: 1京都府立医科大学整形外科 2現:国立療養所村山病院整形外科

ページ範囲:P.637 - P.640

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 抄録:巨人症や末端肥大症では,成長ホルモン(以下GHと略す)の分泌過剰が椎間関節,椎間板および黄色靱帯に影響を与えて脊柱管狭窄を生じることが報告されている.我々は巨人症に胸椎椎間板ヘルニアを合併した稀な1例を経験した.症例は,身長204cm,体重125kgの25歳の男性で,25歳時下垂体腺腫にて手術を受けた下垂体性巨人症である.両下肢のしびれ感と歩行障害を主訴に来院した.精査の結果,Th9/10,Th12/L1の椎間板ヘルニアと診断し,開胸にて2椎間の前方除圧固定術を施行し,良好な結果を得た.
 本症例ではGH分泌過剰によって関節軟骨内骨化促進による椎間関節の肥大変形と骨膜性骨化促進による下部胸椎椎体前後径の増大が起こり,これに脊柱管内靱帯の肥厚が加わり脊柱管狭窄を招いた.この状態において長身と体重による異常な負荷がかかりdiscのprotrusionをおこし,脊髄症状が出現したと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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