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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科28巻5号

1993年05月発行

文献概要

臨床経験

化膿性脊椎炎のMR像―経時的変化を中心に

著者: 吉野恭正12 加藤浩1 飯田惣授1 松岡正裕1 関口哲夫1 湯浅竜寿1 堀田芳彦1

所属機関: 1埼玉医科大学整形外科学 2現:埼玉県立がんセンター

ページ範囲:P.641 - P.645

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 抄録:化膿性脊椎炎のMR像の経時的変化と臨床経過との関係について検討した.対象は10症例で,男性6例,女性4例である.平均年齢は約50歳で,発症型は発熱を伴う急性型7例,発熱を伴わない慢性型3例である.使用MR機種は1.5T(3例),1.0T(3例),0.5T(4例)で,T1強調画像(T1)とT2強調画像(T2)で評価した.症状の発現時,軽快時および抗生剤が中止されてから3ヵ月以降にMRを撮像した.
 検討の結果,次のようなことが考えられた.①化膿性脊椎炎のMR像:急性型では椎体はT1で低信号,T2で高信号を呈し,変形性脊椎症合併例の診断や多椎間罹患例の病巣範囲の決定にMR像が有用であった.慢性型ではT1,T2ともに低信号と高信号が混在する像を呈し,椎体の破壊と修復が同時に生じていると考えられた.②MR像の経時的変化:急性型ではT1での低信号領域の縮小と臨床症状の改善とがほぼ相関した.慢性型では治療前後で著変を認めず,MR像の経時的変化より炎症の鎮静化を示唆できないと思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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