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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科28巻6号

1993年06月発行

文献概要

特別企画 痛みを主徴とする新しい疾患概念,特異病態

paraplegiaを伴う胸・腰椎損傷における術後経過中のdeafferentation pain

著者: 斉鹿稔1 河合伸也1 野村耕三1 富永俊克1 中原庸夫1 藤井浩之1

所属機関: 1山口大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.685 - P.690

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 抄録:Paraplegiaを伴う胸・腰椎損傷において,知覚脱出領域に生じる頑固な疼痛はdeafferentation pain syndromeのひとつに分類され,難治のことが多く,術後のリハビリテーションや社会復帰に支障を来すこともある.このようなdeafferentation painを伴う胸・腰椎損傷34例を対象として,知覚障害部の疼痛について検討した.検討項目は,疼痛の発生時期および程度,麻痺の程度との関連,各種鎮痛療法の効果,リハビリテーションへの影響である.男性29例,女性5例,年齢16~58歳(平均33歳),損傷高位は胸椎損傷14例,腰椎損傷20例である.何らかの鎮痛療法を必要とした中等度および重度の疼痛は21例(62%)にみられた.麻痺の程度が強いほど自覚する疼痛の程度が高かった.いずれの治療法でも過半数前後の症例で有効以上の効果が得られたが,効果の程度や持続時間は一定せず,早期から各種鎮痛療法を駆使することが大切である.なかでも,硬膜外電気刺激が有用である.家族の協力と精神的アプローチを治療の一環に加えることも大切である.あらゆる鎮痛療法が無効である場合には,脊髄後角膠様質(dorsal root entry zone,DREZ)の破壊術も有用である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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