文献詳細
特別企画 痛みを主徴とする新しい疾患概念,特異病態
文献概要
抄録:慢性期脊髄損傷患者で知覚麻痺領域に疼痛を有する25例を対象とし,疼痛の性状を分析した.次いで疼痛に対し,くも膜下フェノールブロック及び,硬膜外脊髄電気刺激療法を施行し,その除痛効果を検討した.疼痛の性状は①完全及び不全麻痺に共通してみられる,より末梢に強い体幹部及び下肢の鋭くさすような痛み,②完全麻痺の麻痺上界領域のしめつけられるような圧迫痛,③不全麻痺の会陰部の焼け付くような痛み,の3種に分類された.くも膜下フェノールブロックは4例に施行し,不全麻痺の鋭くさすような下肢痛に対し有効であった.硬膜外脊髄電気刺激療法は8例に施行し,体幹部及び下肢の鋭くさすような痛みと会陰部の焼け付くような痛みに有効であった.
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