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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科28巻6号

1993年06月発行

文献概要

手術手技シリーズ 最近の進歩

Kaneda deviceによる胸椎・腰椎前方再建術

著者: 金田清志1 鐙邦芳1

所属機関: 1北海道大学医学部整形外科

ページ範囲:P.719 - P.729

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はじめに
 本格的な胸椎・腰椎用の前方instrumentationは,1962年に使用開始された側彎症矯正用のDwyer systemである.ケーブル/スクリュー固定であるDwyer systemでは,脊柱に加わる多種の外力のうち,伸張力しか制御することができず,インプラントの破損とそれに起因する偽関節の頻度が高かった.Dwyer systemを改良したZielke systemでは,ケーブルに替わりflexible rodが使用されたが,デザインはやはり側彎症矯正のためであり,椎体切除後の安定性獲得や後彎矯正には不適当であった.
 筆者は,1980年,胸・腰椎の破裂骨折の前方除圧後の脊柱再建のために独自に開発した前方instrumentationの臨床使用を開始した9).その後,多くの臨床経験と生体力学的研究に基づき改良を重ねた.Kaneda deviceに関係した生体力学的研究では,鐙らは胸腰椎の屈曲伸展損傷と破裂骨折の複合損傷類似モデルにおいて,同deviceが十分な初期安定性を与えることを,そしてロッドカプラー(rod coupler:transverse fixator)が固定脊柱の安定性に強力な効果を持つことを示した2).Gurrらは椎体切除モデルに対しても,充分な初期安定性を与えることを示した8)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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