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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科28巻6号

1993年06月発行

臨床経験

腰部神経根奇形の3例

著者: 澤田尚美12 中村一孝1 橋都浩哉1

所属機関: 1伊達赤十字病院整形外科 2市立小樽病院整形外科

ページ範囲:P.743 - P.748

文献概要

 抄録:神経根奇形が神経根障害に関与する頻度は少ない.しかし,奇形神経根は,それ自体の大きさ,走向異常,低可動性等により些細な脊椎の二次的変性で症状を発現しやすく,補助診断にて見逃されやすい.諸家の報告によると,神経根奇形の発見頻度は手術では1%,ミエログラフィーでは2.3%であるが,剖検例では10%前後にも及ぶ.神経根奇形の手術成績は一般に不良例が多いとされているが,これは術前に奇形根の存在が把握されない場合の術中操作の問題や,不十分な病態把握が関与していると考えられる.腰仙椎の手術時には常に神経根奇形の存在を念頭におきながら,注意深くatraumaticな操作を行うことが重要である.また奇形根は可動性が低下しているため,除圧後の二次的変化で神経症状を生じやすい.よって十分な除圧を行うと共に,motion segmentの固定も必要となる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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