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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科28巻7号

1993年07月発行

文献概要

論述

寛骨臼形成不全に対する寛骨臼回転骨切り術の治療成績ならびに実施上の対策

著者: 野沢雅彦1 山内裕雄1 一青勝雄1 新井浩一1 梁瀬早希1 森福研一1 長谷川徳男1

所属機関: 1順天堂大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.771 - P.777

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 抄録:寛骨臼形成不全を有する,前股関節症,初期股関節症,および臼蓋に骨嚢胞のみを有する進行期変形性股関節症症例に対し,田川,二ノ宮らに準じた寛骨臼回転骨切り術を行い,手術後1年以上経過した58例61関節を調査した.臨床症状およびX線所見上,良好な成績であった.骨切りは股関節周囲を十分に展開し,移動する臼蓋がなるべく厚くなるように行い,直線ノミで1-1.5cm骨切りした後に彎曲ノミを使用した.骨切り後,腸骨と移動した臼蓋の間にできた間隙に,腸骨外板と海綿骨を移植したが,骨形成促進と海綿骨の逸脱を防止するためにフィブリン糊を用い,全例に良好な骨癒合を得ることができた.輸血は冷凍自己血を用いたが,血清肝炎などの輸血による合併症はなく,術後の出血に対しても術前の貯血で十分に対応できた.本術式は適応を選べば比較的高齢者の寛骨臼形成不全の症例にも応用可能であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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