icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科28巻7号

1993年07月発行

文献概要

論述

変形性関節症膝において高位脛骨骨切り術後1年間の下肢アライメントの変化が10年成績に与える影響について

著者: 辻野淳1 安田和則1 真島任史1 金田清志1

所属機関: 1北海道大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.779 - P.786

文献購入ページに移動
 抄録:内側型変形性膝関節症に対する高位脛骨骨切り術後10年以上経過した39人42膝の,術後1年間の下肢アライメントの変化を,脛骨傾斜角(TPA)および大腿骨脛骨角を用いて調査し,この変化と長期成績との関係を検討した.術後1年間のTPAの変動は平均内反1.3°±3.3°で,3度以上の再内反は28%に存在した.またこの変動は創外固定抜去から術後6カ月間に大部分が発生していた,3大学試案による膝機能評価点の改善点が10点以下の成績不良群11例中8例は,術後6カ月以内に再内反をきたしていた.TPA 3度以上変化群と3度以下変化群では,創外固定期間に関し有意の差を認めなかった.術後1年以内のTPAの変動は予想より極めて大きく,これは10年成績に直結していた.10年成績向上のためには正確な手術と慎重な骨癒合の判定に加えて術後6カ月間の下肢アライメントの厳重な管理が必要と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら