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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科28巻7号

1993年07月発行

文献概要

整形外科基礎

駆血帯使用が術前投与抗生物質(CZON)の組織内濃度に与える影響

著者: 八木知徳1 平岡正毅1

所属機関: 1手稲渓仁会病院整形外科

ページ範囲:P.795 - P.799

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 抄録:整形外科手術に伴う骨・関節の感染症を予防する目的で,抗生物質の術前投与が行われることが多い.一方,四肢の手術の場合,駆血帯を用い血流を遮断するため,手術創内の抗生物質濃度の推移には興味かもたれる.我々は55例の手術例に対し,CZONを1g術前静脈内投与し,300mmHgでの駆血帯使用開始時間を5分毎に変え,各々の群での血中および術部の筋肉内濃度を測定した.その結果,15分以内の駆血開始であれば,90分間10μg/ml以上の濃度が保たれ,有効濃度以上であった.駆血帯を解除した例で手術時間が120分を越えると,MIC80以下になる場合が多く,抗生物質の追加投与が必要である.駆血帯使用時の筋肉内濃度は非使用時より低値を示し,骨や骨髄組織で測定した他の報告とは異なっていた.これはエスマルヒによるwash out効果によると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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