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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科28巻7号

1993年07月発行

文献概要

臨床経験

多発性神経鞘腫の3例

著者: 山田賢治1 岡史朗1 乗松尋道1 吉田竹志2 角南義文3

所属機関: 1香川医科大学整形外科 2阪和泉北病院整形外科 3竜操整形外科病院

ページ範囲:P.821 - P.824

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 抄録:神経鞘腫は通常単発性で,多発することは稀とされている.今回我々は,末梢神経に多発した神経鞘腫の3例を経験したので報告する.症例は,58歳女性,53歳および30歳男性で,3症例ともvon Recklinghausen病の合併は認めなかった.症例1は左下腿外側の浅腓骨神経領域,症例2は右膝窩部・右足関節内側部の脛骨神経領域と,同一神経領域に,また症例3は,右腋窩部の尺骨神経および左膝窩部の脛骨神経領域と,異なる末梢神経領域に多発した症例であった.症例1では,神経鞘腫に随伴した神経周膜の過誤腫様の増殖を認め,特異な病理組織像を呈した.症例2・3は,ともにAntoni A,Bタイプの領域を含む典型的な病理組織像を示した.過去の報告例や,症例1に認められた病理組織像から,多発性神経鞘腫が単なる腫瘍の重複ではなく,神経系の奇形腫様あるいは過誤腫様変化を基盤として発症する系統疾患である可能性が考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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