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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科28巻7号

1993年07月発行

文献概要

臨床経験

遠位橈尺関節尺骨頭掌側脱臼の1例

著者: 中島三郎1 沼田亨1 山内達朗1 二橋宏嘉1 峯苫貴明1

所属機関: 1水俣市立総合医療センター整形外科

ページ範囲:P.839 - P.842

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 抄録:遠位橈尺関節における尺骨頭掌側脱臼の1例を経験したので報告した.症例は47歳,男性,作業中約40kgのセメント袋を両手でかかえて運んでいて,道路脇の側溝に落ち転倒.左前腕回外位にて,左手関節背側の尺骨頭部分を,側溝の端に打った.初診時,左前腕は回外約45°に固定され回旋は全く不可能であった.X線では手関節の正面像で遠位橈尺関節部分に重なりがみられ,側面像で尺骨頭の掌側脱臼がみられた.骨折はなかった.直ちに徒手整復を行い,4週間のギプス固定の後,自動運動を開始し,良好な結果が得られた.
 過去の報告では,受傷早期に正確な診断をつけられずに陳旧例となったものも多い.本疾患の存在を念頭におき,受傷早期に正確な診断,治療を行うことが重要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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