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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科28巻7号

1993年07月発行

文献概要

臨床経験

MTX大量療法中にアナフィラキシー様症状を呈した骨肉腫の2例

著者: 岡田恭司1 斎藤晴樹1 渡部亘1 蝦名寿仁1 熊谷芳樹1 佐藤光三1 森田裕己2 渡辺新3

所属機関: 1秋田大学整形外科学教室 2秋田組合総合病院整形外科 3秋田大学小児科学教室

ページ範囲:P.859 - P.862

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 抄録:メソトレキセート(MTX)大量療法によりアナフィラシキー様症状を呈した2症例を経験した.症例1は13歳女子,左上腕骨骨肉腫例である.9回目のMTXの全量投与直後に尋麻疹を生じた.血液学的検査で好酸球数が増加していた.また血中MTXの排泄の遅延が確認された.症例2は19歳男性,左脛骨の骨肉腫例である.8回目のMTXの投与開始直後に血圧の低下,気分不快,眼瞼浮腫等を生じた.皮内反応ではMTXが陽性で,リンパ球刺激試験でもMTXが陽性であった.2例とも抗ヒスタミン剤やステロイド刺の投与により症状は消失した.MTXの排泄が遅延している例や,皮内反応や,リンパ球刺激試験の陽性例で,MTX大量療法によりアナフィラキシー症状が生じる可能性が示唆された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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