icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科28巻8号

1993年08月発行

文献概要

境界領域

慢性関節リウマチ患者の橈骨骨密度

著者: 豊田敬1 井口傑1 斉藤聖二2 堀江康夫3 富田勧3

所属機関: 1慶應義塾大学医学部整形外科学教室 2東京女子医科大学膠原病リウマチ痛風センター 3国立塩原温泉病院整形外科

ページ範囲:P.911 - P.915

文献購入ページに移動
 抄録:慢性関節リウマチ(以下RA)患者34例および健常人40例の橈骨骨密度をdual energy X-ray absorptiometryにより測定し,骨密度に影響を及ぼす各因子について検討した.RA患者の橈骨骨密度は50から60歳代で最も低下しており,70歳代で健常人に近づく傾向が見られた.また握力・RAの活動性指数との相関を認め,stage III・IVの症例で有意に低下していた.橈骨の部位別では,RAの活動性指数が高値なほど遠位により強い骨密度の低下を認めるのに対し,握力の低下にともなう骨密度低下では部位間の差はなかった.また,RA患者の約半数で,骨代謝パラメーターが異常高値を示した.以上の結果から,RA患者の橈骨の骨萎縮には,炎症・廃用などの局所的な因子や,閉経後の骨粗鬆症,二次性副甲状腺機能亢進症も影響しており,部位別でみると炎症の影響はより遠位に,廃用の影響は骨幹部にまで及んでいると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら